イクメンに抗う

妻が旦那をイクメンにしたと思われるのが嫌。

02/03シーズン チャンピオンズリーグ決勝 ACミランVSユベントスの感想

※これは2003年に書いた記事です。

UEFAチャンピオンズリーグ02/03 FINAL ユベントスvsACミラン [DVD]

昨日、深夜に行われたチャンピオンズリーグ決勝の感想などを。

 

決勝はマンUのホームスタジアムであるオールドトラフォード、ピッチと観客席が近く、超満員、最高の雰囲気の中で始まりました。(観に行きたかった・・・)

 

ACミランVSユベントス

どんな大会でも決勝戦というのは一発勝負のため、守備的でつまらない試合になりやすいのですが、前半、ACミランは積極的に攻撃を仕掛け、チェフチェンコの幻のゴールを始め、決定的なシーンを何度も作っていました。
逆にユーベの攻撃は少なく、どれも単調。やはりネドヴェドの出場停止が響いている様でした。
しかし前半は0-0で終了。
ミランは、試合のペースを握っていただけに点が欲しかったところでしょう。
ユーベはこういう展開で勝つことが多いので、ある意味後半はユーベ有利かなと思いました。

 

そして後半、ユーベはシステムを変え、最初から攻撃的に出てきました。
ミランは奪ったボールを無理に繋ごうとして、それを奪い返され、なかなかリズムを掴めません。
それでも、ネスタマルディーニのCBコンビの壁は厚く、しっかり守ってカウンターという前半とは逆の展開で試合が進みます。
しかし、20分過ぎ頃からユーベの勢いも失速し、どちらもやや守備的になり始め、攻撃に人数をかけられなくなってきました。
正直、内容的にはつまらなかったです。
やはり、この時間帯くらいからは1点が大変重要になってきますし、どちらも点を取られないことを一番に考えるようになったのでしょう。
あと、やや運動量が落ち始めたということもあると思います。

 

こういう展開になった場合、交代メンバーが重要になってくるのですが、ユーベの方はケガ人が相次ぎ、効果的なカードは切れず。
一方ミランは、驚いたことに攻撃的MFのルイコスタに代えて守備的MFアンブロジーニを投入。
そこはリバウドだろーと思いましたがね。
ピルロもすでに交代していておらず、完全に守ってカウンター狙い。
あまりにもイタリア的で、ミランは違うと思っていただけに、残念でした。

 

PK戦

結局、後半そして延長戦も点は入らず、PK戦となりました。
普通、PKというのは圧倒的にキッカーが有利なのですが、このPK戦では両GKが止めまくり。
やはりCLの決勝ともなると相当のプレッシャーがあるのでしょう。
落ち着いて蹴ればいいのに、多くの選手が思いっきり蹴ってました。
そんな中、外せば負けが決まるユーベの5人目のキッカー・デルピエロが、落ち着いてGKの逆を突いて決めたのはさすがだなと思いました。

 

最後は、前半幻のゴールを決めたシェフチェンコが確実に決め、ミランが見事CL優勝を果しました。
僕は特に好きなチームっていうのは無いのですが、ミランは好きな選手が多いこともあって、この試合はちょっとミランを応援していたので、素直に嬉しかったです。
あと、ユベントスの方はリーグ戦で優勝しているので、別にいいやろっていうのもありましたし。

 

この試合の内容は、個人的にはあまり満足できるものではありませんでした。
しかし、近年レベルが落ちたと言われていたイタリアのクラブが、今シーズンは共に決勝に勝ちあがってきたということで、来シーズンは他の国のクラブも競って来て、チャンピオンズリーグがさらに面白くなりそうな期待が膨らみました。

 

これで、スペインを除いてほとんどのヨーロッパサッカーのシーズンが終わりました。
次のシーズンが始まる秋までは、移籍市場に注目したり、日本代表の試合を見たりして過ごしたいと思います。

 

最後に少し。某テレビ局、最後まで中継しろよ!何年か前にも同じことがあったぞ!!

 


2002-03 CL Final - Juventus vs. A.C. Milan Highlight Part 3.avi

 

02/03シーズン チャンピオンズリーグ 準決勝の感想

※これは2003年に書いた記事です。

 

先週行われたチャンピオンズリーグ準決勝第二戦について、感想などを書こうかなと思います。

WCCF/02-03/ミラン/黒/151/イヴァン・ガットゥーゾ

インテル対ACミラン

まずはインテル対ACミラン。同じミラノのチーム同士ということで、いわゆるダービーマッチです。
第一戦を0-0で引き分け、迎えた第二戦は予想通り、白熱した面白い試合となりました。

 

前半はミランピルロセードルフルイ・コスタなどの安定したボール回しで、試合を有利に展開。
ただ、サイドアタッカーがいないため、攻撃が中央に偏ってしまって、インテルの守備陣に跳ね返されていました。
そんな中、前半終了間際、セードルフからのスルーパスペナルティエリア内で受けたシェフチェンココルドバに引っ掛けられながらも素晴らしいゴール!
第1戦での消極的なプレーを批判されていたシェフチェンコですが、それを打ち消す見事なゴールでした。
これでアウェー扱いのミランは圧倒的に有利になりました。

 

後半は前半とは全く違う試合展開に。
2点が必要になったインテルは、セルジオ・コンセイソンを中心に鋭いサイド攻撃の連続。
一方ミランマルディーニネスタを中心に守り、このまま終わるのかと思いましたが、インテルのナイジェリア人FW(名前分からず)の反転してマルディーニを振り切ってのゴール!
彼の加速力はホント凄かった。(その後のパフォーマンスも凄かったですが。)

 

しかしその後のインテルの猛攻も実らず、結局1-1で終了。
アウェーゴール2倍ルールでミランが決勝進出となりました。

 

この試合はホント見ていて面白かったです。
華麗なプレーは少なかったけど、どちらも勝利への執念が凄まじく伝わってきました。
特にミランのガットゥーソとインテルマテラッツィのプレーは激しく、泥臭く、汚くもあり、凄かったです。

 

印象的なシーンだったのは、シェフチェンコがペナ近くでインテルDFと競り合ってもみ合いになっている時、ガットゥーソが凄まじい勢いで突っ込んで来てシェバを助け、さらにそこにマテラッツィも来てボールは全く見ずにシェバを吹っ飛ばした場面。
結局マテラッツィのファウルとなりましたが、違うスポーツを見てるかのように衝撃的でした。
彼らのプレーは華麗ではありませんが、こういうビッグゲームには必要な選手達だと思います。
味方にとっては頼もしく、敵にとってはホント嫌な選手達でしょう。

 

とにかくインテルミランは、準決勝にふさわしい素晴らしい試合でした。

 

ユベントスレアル・マドリッド

次にユベントスレアル・マドリッド
こちらはハイライトを見ただけなので、試合展開は省略しますが、ユーべは凄かったです。
彼らは勝ち方を知っています。
逆にレアルは豪華な攻撃陣とは違い、守備の薄さが露呈した格好になりました。
リーグ戦でも見られるのですが、レアルはスピードのあるカウンター攻撃にめっぽう弱い。
それでも勝てるのはボールを圧倒的に支配して、豪華な攻撃陣でたくさん点が取れるからです。
しかしユーベは守備が堅く、速攻が上手いチームです。
最も相性が悪かったと言えるかもしれません。
ただ、イエロやサルガドに代わる足が速くて守備が上手い選手がいれば・・・という気はします。
それにしてもユーベ、特にデルピエロネドヴェドは素晴らしかったです。
試合後の、累積で決勝に出られないネドヴェドの涙は切なくなりました。

 

決勝は初のイタリアのクラブ同士の対決となりました。
リーグ戦とは一味違う素晴らしい試合になりそうですね。楽しみです。
(ただ、個人的にはミラン対レアルの決勝が見たかった。どちらもパスを主体としたサッカーなので、きっと面白い試合になったと思います。)

 


Ac Milan Vs Inter (3-2) Match Highlights and Goals 2003

史上最高のレジスタ 元イタリア代表 ピルロのミラン時代

※これは2003年、ピルロが23才、ACミラン在籍時に書いた記事です。

WCCF 02-03白黒カード 152 アンドレア・ピルロ

 

パス

僕の好きなサッカー選手のタイプは、ベタですがファンタジスタ系やパサー系の選手達です。
メジャーなところを挙げると、バッジョジダン、ルイコスタ、ヴェロンなどなど、まあその辺ですかね。


ですので、試合を観る時に一番注目して観るのはパスです。

パスというのは、最もサッカーで重要な技術です。
例えば、足が速い選手でも強く蹴り出されたパスには追いつくことはできないですし、高くジャンプ出来ても大きく蹴り上げられたパスには届きません。
ベッカムのセンタリングが凄いと言われるのは、まさにそれで、ドライブをかけたパスを送ることによって、ボールの軌道が敵のDFが届かない高さで通過し、1m後ろにいる味方FWにピタリと合わせられるのです。

 

また、パスは一人では出来ません。パスの出し手と受け手がイメージを共有してこそ成り立つのです。
それが難しい部分でもあり、選手の技術やセンスが問われる部分でもあると思います。

 

さらにパスには、パスを出すタイミングやもらうための動き、その他トラップの正確性など多くの要素が絡むので難しいんです。
まあ簡単にいうと、パスが上手い選手が多いチームというのは相手よりボールを長く支配できるわけで、そうすれば相手が攻める時間が短くなって、自分達のチャンスが多くなり、有利に試合を進められるというわけです。
(ただ、ボールを長く支配できても点が獲れず、逆に一発のカウンターでやられてしまうということもあります。これが有機的なスポーツであるサッカーの面白いところでもあるのですが・・・。)


ACミランピルロ

で、今回紹介しようと思うのはACミランのMFピルロです。
まだイマイチ世界的には知名度が低いピルロですが、今季、スーパースター揃いのミランの中でレギュラーを獲得し、評価を高めています。
その彼を今回ピックアップしてみようと思います。

 

まず、僕がピルロという選手を初めて見たのは、2000年のシドニーオリンピックです。
彼はイタリア代表の10番を付け、トップ下として大会に参加していました。

 

知らない人のために説明しますと、オリンピックはW杯と区別をつけるため、23歳以下の選手(+オーバーエイジ3人)しか参加できません。
つまりU-23代表の世界大会です。(ちなみに日本は中田・中村・高原・稲本などが参加。)

 

そのU-23イタリア代表で、ピルロは次世代のエース、ファンタジスタとして紹介されていました。
しかし僕が見た印象では、テクニックはあるものの、A代表のトッティなどに比べるとイマイチ迫力にかけるという感じでした。
結局イタリアはベスト8でこの大会を終えます。

 

次に彼を見たのは、00-01シーズンのセリエAの試合でです。
バッジョ率いるブレシアピルロはいました。(どうやら所属していたインテルから、出場機会を求めてレンタル移籍していたようです。)
しかも驚いたことに、ピルロバッジョと同時に試合に出場していました。
イタリアでは基本的に10番タイプの選手を同時に使うということはタブーとされているのに、この試合では1トップの後にバッジョがいて、その後にピルロという形で共存していたのです。
彼のポジションはトップ下とボランチの間といった感じで、正確なキックでボールを前線に供給していました。
この頃から彼の真の才能が開花しつつあったように思います。

 

そして迎えた今シーズン、ピルロはACミランにいました。
ミランにはもともとポルトガル代表のルイコスタという絶対的な存在がトップ下のポジションに君臨しており、さらにオフにはブラジル代表リバウド、オランダ代表セードルフといったトップ下のできるビッグネームが移籍してきたため、ピルロのポジションはないように思われていました。
しかし彼は、このミランの中でなんとボランチとしてレギュラーを獲得したのです。

 

守備的なサッカーと揶揄されることもあるイタリアでは、普通ボランチに無尽蔵に激しくプレスをかけ、時に汚いプレーをしてでも相手の攻撃の芽を摘めるような選手が選ばれます。
しかしミランでのピルロの仕事は、彼のトップ下としてのテクニックや正確なキックを活かし、DFが奪ったボールを前線やサイドに供給するのが主な役割です。
これにより、ミランのパス回しがスムーズに行われ、味方の選手が良い形でボールを受けて攻撃を行うことができるのです。
ミランのそのイタリアらしからぬパス回しを主体とした創造的なサッカースタイルは、多くの批評家に絶賛されています。

 

最初に、パスについて色々語りましたが、今シーズンのミランの成功は、間違いなくこのピルロボランチ起用によるパスサッカーへのスタイルの変換が一番の要因です。
ピルロミランでの活躍を買われ、代表でもポジションを獲得しつつあります。)
イタリアでは、中盤の下がり目から前線にパスを供給する選手のことを、「レジスタ」と言います。
今季、ミランはリーグ優勝を逃したものの、チャンピオンズリーグの決勝に駒を進めましたので、この最高の舞台で、若きミランレジスタピルロに注目してみてはいかがでしょうか!

 


イタリア1番の“ファンタジスタ❤︎”【ピルロのスーパーアシスト集★】こんな柔らかいパスは誰も出せない!ピルロだからこそ出来るパスが今ここに・・。